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初中級・中級者の方にお薦めの英語学習法(コツ)とネイティブの感覚がわかる1冊(回答者:デコ先生)


社会心理学博士号の資格を持つデコ先生は、英語講師の傍ら、カウンセリングや企業の社員研修も担う心理学のエキスパートでもあります。人と人とのコミュニケーションを大切に「気持ちを伝え合う より実践的な英会話力」が身につくレッスンをデコ先生ならではの着眼点で効果的にサポートしてくださいます。今回はそんな両分野で活躍するデコ先生に「初中級・中級者の方にお薦めの英語学習法(コツ)とネイティブの感覚がわかる1冊」についてインタビューさせていただきました。

さっそくですが、デコ先生が思う「初中級・中級者の方にお薦めの英語学習法(コツ)」について教えてください。

 

はい。ポイントを3つお話してから、おすすめの1冊をご紹介したいと思います。

 

まずお薦めの英語学習法(コツ)の1つ目は「勉強するのをやめないこと」です。

私は英語を教える立場になって、もう一度英語を勉強したくなる気持ちになりました。どういった方法・方向であれ、自分自身で勉強し続ける・学び続けることがすごく大事と思います。

そうですね。学習における大事なポイントは、勉強をしなくてはならない義務感ではなく、英語の勉強を自ら進んでしたくなるような方法やマインドを持つこと。勉強したくなるようなきっかけや環境作りは大切ですよね。

2つ目は、具体的な勉強法に関してですが、アメリカのトークイベントである「TEDを活用する」ことをお勧めします。

TEDを活用すれば、リスニングや表現、語彙の練習ができ、とても効果的に学べます。例えば、気に入ったトークを3つくらい絞って、2週間くらい短期集中で何度も聞くことをおすすめします。

まずはなにも見ないで何度か聞いてみます。次は、日本語訳と英語訳を対照させながら[わからないところ・わかるところ]の区別を明確にしながらチェックしていきます。

その後に、繰り返し聞き込みます。この方法の何が良いかというと、あらゆるジャンルの素材がありますので、興味・関心のあるトークを選べる、興味や予備知識のある素材なので、ただ聞き流すだけのリスニングにはならないこと、新しい表現方法を拾えること、わからないところ・わかるところが明確になることにあります。

何より、TEDはプレゼンテーションですので、聴衆が理解しやすい表現・論旨で、英語学習者にとって濃縮された学習素材ですし、愉しく学べることにあります。ただデスクに向かってテキストを開いて、という勉強だけでは長続きしません。忙しいときは、歩きながら、電車の中で、家事をしながら、犬の散歩しながら、でもいいですよね。

そうですね。TEDならスマホにアプリを入れるだけですし、外出先でもちょっとした隙間時間に気軽に学べそうです。トークを聞きながら新しい知識に触れられる点でも良いですし、トーク動画のたくさんのコメントをみながら、捉え方の異なる視点も学習の参考になると思います。

3つ目は、「言いたいことが口からすぐに出ないこと」についてです。

初級者の方もですが、中級者の方がよくおっしゃる悩みですね。私自身、日本生まれ日本育ちで、留学経験はなしです。過去に、外資系企業に就職したものの「言いたいことが口からすぐに出ない」状況に直面した経験があります。

そんな私が一通りできるようになるために何をしたかと言うと、自分が言いたい日本語を英語にするとどうなるか?を常に考えるようにしました。

例えば、天気のいい朝に犬の散歩を出掛けます。こういう時なんていうんだろう?と散歩しながら考えてみます。このように常に生活の中に英語で考える癖をつけることが大切だと私は思います。そして、わからないことはその場で調べること。スマホにメモをしておくこと。こういった作業を繰り返すことで、日本に居ながらでも、英語が身につけられると思います。私たちは、ネイティブにはなれないですが、少しでも近づくために習慣化させることが必要ですね。

学習が思うように進まないときは、気分転換にドラマをみてみるといいと思います。

たとえば、Netflixオリジナル、カナダのコメディーシリーズ[ワーキングママ][(原題: Workin’ Moms)などお薦めです。1本20分程度で飽きずに見られるちょうど良い長さです。

TED同様の、無理して英語のみにする必要もないです。日本語訳はありで見たほうが理解のスピードUpもできますよね。

TEDの時にお話しした何度も注意深く繰り返し聞く[精聴]と、愉しく英語を聴く機会を増やす[多聴]は、どちらでないと効果がないという事でなく、どちらも無理しすぎずにバランスよく行える習慣が大事だと思います。

海外に住んだことのない人にとっては特に、様々なリアルな表現を学べて本当に面白いですよ。

一つ面白い表現をご紹介すると、会社の上司から「この仕事一緒にやらない?」と言われた時に[I’m in.]と答えたんです。この表現は辞書で引いても出てこないですよね。[I’m in.=その話に乗ります、やります]という意味です。

これを違う状況で考えてみると、海外旅行に行きます。旅行先で朝、友人にこんなツアープラン考えてみたんだけど、行く人!と聞かれたとします。この時に[I’m in.]と言えますし、「400ドルもかかるの?私はやめておく」[I’m sorry, I’m out.]と言えたりもします。

ドラマや映画は、息抜きにもなりますし、辞書には載っていない表現が、状況と一緒に学べるのがいいですね。どんなシーンで使われているのかがわかるので、感覚が掴みやすいと思います。

私がおすすめしたい1冊は「会話もメールも英語は3語で伝わります」という本です。

日本語を英語にしたときにどうしても長くなる、難しい文になる。説明しても回りくどく、伝わりづらい、このような経験がある方にはぜひ一度手にとってもらいたいですね。日本の学校教育では教わらない視点で、難しい単語やイディオムをわざわざ使わなくても英会話はできると知れます。

・「会話もメールも英語は3語で伝わります」
日本人の英語は長くて難解→English shorter, simpler, clearer、より短く、簡単に、わかりやすい英語へ。

英訳の心得:単語の配置を変えるのではなく、意図を伝えることにフォーカスする。

×日本語→英語
〇日本語→<状況をイメージ(重要)>→英語で組み立てなおす。

・ポイント1 主語の使い方
日本人は、人を主語にするのが自然、主語を話さないことも多い、英語は配置の言葉、主語の位置ならモノや動作も主語。

例)ボタンを押すことでエンジンがかかる→
日本語的訳)You can start the engine by pressing the button..
ネイティブ)Pressing the button starts the engine.(主語→動作)

・ポイント2 動詞の使い方
動詞をうまく使いましょう。文章が明確、かつ短く、わかりやすくなります。

例)この本はいい本だよ。人生が楽しくなる。→
日本語的訳)This is a good book. It makes you enjoy life.
ネイティブ)This book helps you to enjoy life.

授業の時間を最大限に活用したい。→
日本語的訳)I wanna make the most of the lesson time.
ネイティブ)I want to maximize the lesson time.

比べていかがですか?ネイティブ訳の方が明らかにシンプルで聴き心地がいいですよね。また、伝わりやすく理解がしやすいのでお互いにスッキリした感覚が持てると思います。

ネイティブ訳の方がコンパクトでスッキリしています。きっちりと訳さなければならないと無意識に思いがちですが、そうではなくシンプルに、そして相手にわかりやすく伝えること。簡潔だからこそ、コミュニケーションにリズムが生まれますよね。

はい。スムーズだからこそ、相手の負担が少ない。コミュニケーションする上で大切ですよね。日本語を英語にしたときにどうしても長くなる、難しい文になる。説明しても回りくどく、伝わりづらいとお悩みの方は、この本からネイティブの感覚を学ぶのも一つの方法だと思いますよ。

 

■事務局よりコメント

「私は日本生まれ日本育ちで、留学経験もありません」とさらりと話すデコ先生。外資系企業に務めるも英会話に苦戦した過去も赤裸々に話してくださいました。英語学習者なら、誰もが知りたいネイティブのような英会話術。もっとシンプルにわかりやすく伝えるにはどうすればいいか?私はデコ先生との出会いをきっかけに重要なヒントを見つけられた気がします。

オンライン英会話[大人の英会話倶楽部]の日本人講師:人と人をつなぐ「気持ちを伝え合う英会話」を大切にする デコ先生のプロフィールはこちら↓

https://www.english-dialogclub.com/wte/prfdtlfrm/1676