大人の英会話スクールの質問

日本人の英会話講師:Se先生にインタビュー


日本語の教育能力試験履修や外国語教授法を専門に学び海外のビジネスマンに日本語を教える一方、英語音声学や外国語教授法を修学し英会話の講師でもあるオーストラリア在住のSe先生。
言語としての「英語」と「日本語」の違いや指導法に習熟している「日英会話指導法のバイリンガルな先生」です。
海外にて英語でのコミュニケーションを先に身に付け、日本で英語を学び、更に海外で英会話を学んだ先生の経験から、様々な学習ヒントが得られます。

※Se先生は現在、講師登録中止中です。参考になるインタビュー記事ですので、そのまま掲載させていただきます。

Q:Se先生の英会話習得のプロセスは?

英語との出会いは小1で、仕事で(商社)5年間家族でアフリカのケニアに滞在しました。
ナイロビ日本人学校では英語の授業があり家でもイギリス人の先生に英語を習っていました。
ただ、日常生活で接する門番さん、庭師さん、メイドさんなどは植民地英語でしたので助詞や時制がないブロークンな英語を身につけていました。
「話せる」と思って日本に帰国したところ、中学校の英語の授業で教科書を見てびっくり。
目で言い方を確認した事がなく文法を習っていなかったので普通の第二外国語習得の順序と逆で、かえって苦労しました。
中学、高校と一気に「テキストベース」の英語モードに入り、大学の英語科受験でさらに「単語の暗記」「構文の理解」中心になりました。この時期に「英語」は初級→中上級になったと思います(「英会話」のレベルではありません)。

姉のお古で「英単語連想記憶術」という語呂合わせや連想から単語を覚えるという画期的な本で単語を暗記しました。あのとき詰め込んだ苦労は無駄になっていないですね。毎晩、単語帳をめくっていました。覚えられない単語は部屋中・・・トイレにも貼っていました。(笑)
「こつこつ、粘り強く取り組みたい」性格でもあり、英語だけではなく自分が決めた事は時間がかかってもしてきました。日本語や英語の教授法などの専門的な勉強も一歩一歩諦めずに学んできました。

父が商社マンで、子供の頃から世界を飛び回って外国の方相手に話し、空き時間は通訳ガイドの勉強をしていたり、NHKの英語番組を見ていた父は、やはり私に大きな影響を与えてくれたと思います。
「帰国子女」と言うと殆どアメリカ帰りの子供をさしていた時代に「アフリカ帰りの帰国子女」だった私は結構いじめられもしました。「日本人ぽくない」「言葉づかいがおかしい」などと言われてアイデンティティを喪失しかけた私の心を支えていたのは「英語」だったと思います。
子供心に日本に馴染めず「将来は外国に移住したい」と決めてから・・大人になった私は、アメリカは肌に合わなかったですしロンドンは敷居が高すぎるように感じ、外国語教育が盛んなところがアフリカに似ているオーストラリアに行く事を決めました。
「英会話力」が一気に伸びたのは永住権を取る為にオーストラリアの公立高校で教えた4年間です。夢も英語で見たほどに日本語を使うことができない環境で、それは努力というよりも必然でした。

Q:英会話初級から今のレベルになるプロセスでは、具体的にどのような勉強をしてきましたか?

小学校で「英語が話せる」と言ってもしょせん子供ですから内容は「初級」ですし「英文法」を理解せずに話していました。一方、中高大学時代は殆ど「英語」の勉強であって「英会話」はしていませんでした。

社会人になってから英語・英会話力を上達させるために利用した教材やチャレンジした事を列挙しますね(順不同です)。
当時は今のようにYou TubeもなければFoxtelもなく、インターネットだって30代でようやくダイヤルアップで使えるようになったくらいで、オンラインの英語学習サイトやオンライン英会話、世界中のサイトで英語を上達させる事なんて事はできませんでした。日本にいながら英語を身近に感じる事は殆ど無理でした。
今のみなさんはそれができる!ラッキーな時代だと思います。

☆アルク「起きてから寝るまでリスニング」
☆TOEIC®受験
☆TOEFL®受験
☆英検受験
☆ケンブリッジ英検受験
☆IELTS受験
☆トリニティカレッジ試験受験
☆FEN(Far East Network)を聞く
☆National Geographicを読む
☆英字新聞を読む
☆外国人駐在員に英語を習う
どうやって探したか忘れましたが、広尾のご自宅に通いました。(帰国されて終了)
☆外国人の彼をつくる(効果はけんか用のセリフが言えるようになった)
☆外国人の多い「バー」「クラブ」にいく(効果はなし)
☆外国人とLanguage Exchange
カナダ人男性と週に一回マクドナルドで行っていました(自然消滅)。
☆3週間イギリスのブライトンに英語留学(学生時代)
☆3か月アメリカのアラバマ州の小学校に文化交流(社会人時代)
☆1年間イギリスのロンドン大学の教授法コース受講(社会人時代)

Q:英会話初心者・初級者の方に向けてのアドバイスを。

①新しい言葉、知らない言葉は辞書をひくこと。
②発音記号とアクセントを必ず確認しましょう。このふたつは大事です。
③発音が完璧じゃなくても英語をあきらめない
④時に素直にただ「受け入れる」・・・細部にこだわりすぎず、多少の疑問は流す!(そのうち分るだろう、くらいの大らかさを持つ)。
ただ、難しい教材で、イチイチ、全て辞書を引いていては疲れてしまいます。
今の自分のレベルにあった少し平易な教材で、何より、興味や関心のある教材がいいですね。
「調べたい、知りたい」という気持ちが自然に沸き起こりやすい教材がよいと思います。

《これは違ったと思う事》
70年代はオーディオリンガル最盛期で「聞き流す」教材が多数売られていました。
特に設定がアメリカの教材が殆どで「この金髪の女の子のように振る舞えない、話せない」・・等、単純に自己嫌悪感に陥り、且つ「ガイジンみたいになりたい」シンドロームにかかりました。
日本は特に「英語=アメリカ」みたいなところがありますが、現実は英語を話す国々の一つに過ぎません。文法、発音さえ正しければジャパニーズイングリッシュで堂々と対話する事ができます。
一人の世界人として常識がある、自分の意見がある事は英語力と同じくらい大事ではないでしょうか。
これは、そこそこ英会話ができるようになると、とても実感する事です。
挨拶がどんなに流暢になっても・・・対話なので知的な刺激や相互理解が大切ですよね。

Q:英会話中級者の方に向けてのアドバイスを。

① 良い辞書を見つけて事あるごとに引いてください!英英辞典、同義語(Thesaurus)辞典も使ってください。単語だけ、イディオムだけで覚えないで例文を通して理解する事をお薦めします。
② 日々、英語を聞いたり(これは聞き流しでいいです)英語の本を読む。
世界で起きている事に関心を持ち記事を読む。時事英語から沢山の新しい言葉、言い回しを学べます。
③ 言葉以外の要因、例えば文化、宗教、歴史、ジャスチャー、生活態度等に興味を持ち知識を増やす。
会話に限って言うとやはり真面目なトピックに対して、その事を理解してきちんと意見が言えるのが上級レベルでしょうか。そういう面では自分も上級かと言われると「う~ん?」となりますが。
コミュニケーションに到達点はないですね。海外の方との交流で更に視野を広げて多くを学び続けられることが英語を学ぶ上での一番のメリットとも言えます。
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Q:今も英会話力(指導力)を磨くために行っている事(習慣など)はありますか?

英語の音読、ニュースをヘッドホンで聞く(すべてのテレビ番組は英語なので、つけるだけで聞こえてきますが)、
文法書を見直す、英語学習のブログ、サイト、You tubeをチェックしていい素材を物色する。
腕立て伏せと腹筋運動。(ポジティブな人間でいるために)

Q:何度も観た・唄った・読んだ、お気に入りの映画・ドラマ・楽曲・書籍は?

「英語」にあまりプラスになっていない情報も含まれていますが・・・。

ソフィー・マルソー:「ラ・ブーム」の「Reality」「ラ・ブーム2」の「Your Eyes」。歌は英語で歌われています。何度聞いてもいいです :)
最近はボリウッドが好きで、シャー・ルク・カーンの大ファンです。
好きなのはポリス、ビリー・アイドル、レニー・クラビッツ、UB40、サンタナ、ジプシー・キングス、
ケミカル・ブラザーズ、Blur、Red Hot Chilli Peppers、Pink、INXS、カイリ―・ミノーグなど。

日本の朝ドラのような「Home & Away」というAussieのドラマは見ます(でも正直日本のドラマを見る方が好きです!)。

英語の本よりサイトでいろいろ読みます。「40代からのファッション」ブログとか。
40+Style!:http://40plusstyle.com/
世界のサイトを見てまわるのが大好きです。多肉植物(succulent)の栽培をしているので、よく英語サイトにいっていろいろ研究します。
Australian Succulents:http://australiansucculents.com/
Pinterest:Endless Succulent Ideas:https://au.pinterest.com/rotdcreations/endless-succulent-ideas/

もうひとつはレシピ。夫がロシア生まれなのでよくロシア料理のサイトを検索します。必要にせまられているので、おのずと料理関係の英語力が高まりますよ!

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Q:先生のオンライン英会話のレッスンは?

中上級の方が多いですが初級の方もいらっしゃいます。
お仕事で英語が必要な方からアドバイスを求められることも多いです。英語のレベルよりも皆さんそれぞれ個性的な方が多くてドキドキします。
英会話学習者のレベルを限定することはありません。どちらかというとその生徒さんと私の間でひとつでも繋がる部分があるかが大切だと思います。
初回はカウンセリングとレベルチェックをさせていただき次回からがレッスンというのが理想です。
その方のご希望にぴったりあう内容でレッスンするとなると・・当日はちょっと準備が仕切れず厳しい現実はあります。

教材を初回から用意していただく必要はございません。話し合って私のおススメから選んでいただくか、
私の方からご提案します。
中級以上の方には、対話の質を高めていくCLIL(内部言語統合型学習)の教材も良いですね。ただフリートークを重なるだけでなく、知識や思考、コミュニケーション力、英語表現力などをバランスよく深めていく事ができます。
リスニングも5~10分くらい取り入れるのがお薦めです。ゆっくりスピードから入ります。

テキストを使わない場合(口頭とチャットだけですと難しいので)レッスン中に目で確認できるようワードで作成したものをお送りして、それを見ていただいています。補足や纏めを後でお送りすることもあります。

Q:先生のレッスンの特徴を一言で言うと・・

フレンドリー。Friendly
フレックシブル。Flexible
アトラクティブ。Attractive