「発音はある程度の年齢になってからだと上達しがたい、無理だ」と諦めている方が多いように感じています。しかし、発音は決して諦めるものではありません。ちょっとしたコツと継続的な練習で、ガラッと変わるものです。特に大人になってから発音を学ぶには、子供のように耳だけで覚えるのではなく、理論を理解して口と舌を動かす練習が不可欠です。
この記事では、日本人講師が発音指導を専門にしてきた経験に基づき、私たち日本人にとって理解しやすい発音習得法と、日常でできる具体的な「口の体操」をご紹介します。
発音矯正の基礎:「音の単位」と「口の動かし方」を理解する
正しい発音を身につけるには、「発声の基本」から見直す必要があります。私たちが日本語を話す際の口や舌の動きと、英語を話す際の動きは大きく異なります。その違いを理解し、英語を話すための「筋肉」を鍛えることが重要です。
ステップ1:母音と子音の「口の形」を意識する

発音記号を無理に覚えなくても構いません。レッスンでは、以下の単位で音を確認しながら、口の形、舌の使い方、息の出し方などを一つずつ練習していきます。
- 有声音と無声音の違い(例:/p/と/b/)
- 短母音・長母音・二重母音の違い
- 破裂音、摩擦音といった子音の発声法
日本語にはない音を、理論で理解し、口の奥や舌の位置を意識して発声することで、正しい音の出し方が身体に定着します。
発音の難題あるある:耳で聞いても違いがわからない
「RとLの違いは知識としては知っているが、自分で発音しても、聴き比べても、違いがよくわからない。どこをどう直せばいいのか、感覚では掴めない。」
この感覚的な課題は、日本語母語の特性を知る日本人講師による具体的な口の動かし方の指導で、一気に解消に向かいます。
実践:日常でできる「伝わる音」の矯正法
発音ばかりを突き詰めても、会話をする時間を取らないと意味がありません。発音矯正と会話練習をバランスよく行うための具体的な習慣をご紹介します。
矯正法1:シャドーイングで「音の繋がり」を学ぶ
好きな洋楽や映画、NHKの語学講座の音源を使い、シャドーイング(流れる音声に遅れて影のように発音する)を繰り返しましょう。これは、前後の音との兼ね合いで音が変化する現象(リエゾンなど)に慣れ、速い音を聴き取れるようになるために不可欠です。
矯正法2:イントネーションとリズムを意識する
単語ひとつひとつの音だけでなく、文章全体のイントネーション(抑揚)とリズムが伝わりやすさに大きく影響します。例えば、「Nice to meet you.」のイントネーションが日本語的になっていないか、意識して発声してみましょう。それが修正されるだけで、会話のスムーズさが大きく変わります。
日本人講師を「正しい音のチェック役」として活用する
発音学習で最も効果が高いのは、正しい音を聴き、矯正してもらえる環境にいることです。オンライン英会話は、まさにそのために最適です。
レッスン活用法:ピンポイントで修正してもらう
自分では「近い、正しい」と思っている英語発音も、講師からは「少し違う」と指摘されるものです。レッスン中に、先生が「今の音でOK」と言われたら「ああ、できているんだ」と安心できます。指摘してもらいながら調整していくことで、発音の完成度を高めていくことができます。
私の指導経験では、音よりも全体的にスムーズに読めているかどうか、日本語のイントネーションにつられていないかどうかをメインで見ています。上達段階に合わせて、分かりやすく説明することで、気負わずに継続していただけます。
講師からのメッセージ「発音は無理だ」と諦めている方も多いですが、ちょっとしたコツだったり、読み方、クセを修正するだけでガラッと変わるものです。100%完璧なネイティブのような発音はなかなか難しいとは思います。ですが、絶対上達するものなので、気負わずにぜひ一緒に頑張りましょう!
日常の発音矯正に関する疑問(FAQ)
- Q1. 発音練習は、ネイティブのように完璧に発音することが目標ですか?
- いいえ、100%完璧な発音は目標ではありません。世界のどこにも標準的な英語はなく、発音は多様です。目標は、相手にストレスなく伝わる音を身につけることです。ちょっとしたコツやクセを修正するだけで、会話のスムーズさは大きく変わります。
- Q2. 独学で発音を良くするために、どんな練習をすれば良いですか?
- 音読やシャドーイングを行う際、必ず自分の発声を録音して聞き返し、間違いをチェックしてください。そして、日本人講師のレッスンで、口の形や舌の使い方など、具体的なノウハウを学びながら、英語を話すための筋肉を鍛えましょう。
- Q3. 日本語のイントネーションが英語に影響してしまうのは、どうすれば直りますか?
- 文章全体のイントネーションとリズムを意識して、シャドーイングを繰り返しましょう。例えば、「Nice to meet you.」を日本語的なリズムで発音していないかチェックし、正しいリズムで短く発声する練習をすることで、上達段階に合わせて徐々に修正することができます。





