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日本人の英会話講師:S先生にインタビュー


英会話学校、企業派遣講師など英語講師歴20年のS先生、先生自身の英会話習得方法、失敗談や意識の持ち方、すべての方に参考になります。

※S先生は現在、講師登録中止中です。参考になるインタビュー記事ですので、そのまま掲載させていただきます。

先生の英会話習得法は?

ありとあらゆ方法を試しました(笑)、そしてたくさん失敗しました。
私は帰国子女でも優等生でもなかったのでほとんどの学習者の方と同じ英語は「教科」として学んできました。
中学時代の英語の先生とは相性が悪くとにかく英語の授業がつまらない。授業中は絵を描いて遊んでいる。。。そんな生徒でした。

高校3年の夏休みに進路検討の一つとして英語の専門学校の短期プログラムに参加しました。
この時初めて英語が母語の方と直接話す機会を得ました。そして身体にイナズマが走る!その時の先生はアメリカ人でしたが発音が綺麗(英語が母語なのだから当たり前ですが)。惚れました。(笑)「カッコイイ〜私もあんな風に話せたらイイなぁ」とやる気スイッチが入った瞬間でした。
そこからはNHKの英語講座を見たり聞いたり本当に色々な事をやりました。
何をやったから会話ができるようになったというよりかは常に興味と悔しさをもって英語に触れるようにしたという事が結果よかったのだと思います。
そしてそれは今も変わりません。Non Japaneseの人と英語を介して話をして「ほーそうなの?」、「何でそんな発想になるの?」という経験をするのが単純に面白い。言葉は文化を構成する要素の一つですから外国語を操る事は異文化を知るという事に繋がるので面白いですよ。

一気に伸びたって感じた英語勉強方法などありますか?

学習書ではなく普通の本を英語でたくさん読みました。例えばHarry Potterとか。今はノーベル文学賞を受賞されたKazuo Ishiguroさんの”Never let me go”を読んでいます。自然な表現や単語の効果的な使い方、文章の作り方や論理展開など様々なことを学べます。
洋書を活用して学習していた時は必ず同じ本を2度読むようにしていました。1度目は辞書を使わずストーリー展開のみに集中して読む。2度目は辞書や文法書などを側に置き気になる部分は都度調べながら読み進める。これが私には効果がありました。

具体的な英語教材、習慣、学習時間などは?

目的に合わせて教材は選んでいました。TOEICの点数をあげたい時はTOEIC対策本などという感じです。万人にとって効果がある夢のような教材は存在しないというのが私の考え。
自分の目的は何かをしっかりと考え本屋さんへ。
気になる本を片っ端からめくり「ときめく」本を探す。あるんですよー「おっ!」と思える本が。それに出会える過程を楽しむのも面白いと思います。

英語学習で意識してきたことは

楽しむ気持ちを持つようにする事でしょうか。脳は楽しい!、面白い!と思う事に一番反応するのでできない事を意識するよりできるようになった事を意識して喜ぶようにすると比較的前向きに練習は続けられると思います。コップに入った水を見た時に「まだ半分しか入ってない」と思うのか「半分も入ってる」と思うのか。。。という事ですね。

モチベーション維持の秘訣とかありましたか?

自分にご褒美をあげる(笑)私の場合はこれに尽きます。留学をしていた時はとにかく勉強が大変で1週間で10もの小論文を提出しないといけないということがしょっちゅうでした。私は甘い物とビールに目がないので先ず「今週はとにかく図書館に通いつめ金曜までに3つの小論文を提出する!」のように決めていました。それをやっている間は甘い物、ビール断ちです。アイスが食べたい!ビールが飲みたい!だから頑張る。単純なんですが効果はありました。ポイントは高価な物をご褒美にしない。日常的にないと困るものをご褒美にするという感じでしょうか。

英会話学習の失敗経験や克服法は?

言語の習得は非常に長いプロセスなので短期、中期、長期(最終ゴール)の目標をしっかりと立てる事が大切だと思います。
それを時系列を逆にして考えていきます。
1年後に一人で全て手配をして友達と2人で海外旅行へ行く(長期ゴール)→自分の言いたい事を時間をかけずに組み立てて伝えるようにする(中期)→単語の羅列で力技で通す事をやめ短くてもいいから文章を作って話す(短期)のような感じです。
階段を登っていくイメージで段階的にゴールを設定していく。そして階段を登る度に自分へのご褒美を忘れない。(笑)

今、英会話を学んでいる方にアドバイスを

先生や指導してくれる人の話を素直に聞いて実践してみる。
英語を必死で学んでいた時はとにかく耳年増。いろいろなところで情報を仕入れいちいち先生に突っかかっていました。「でも」「でも」って「でもオバケ」になっていた時期がありました。
今思えば先生はいつも自分のことを見てくれていて自分に足りないものや学びの癖を把握してくれていました。その上で自分に必要な物を提案してくれていた。というのは自分が指導者になって初めて気づいたことでした。

初心者・初級者の方に向けて
楽しんでやる、ハードルを上げすぎない。。。でしょうか。

中級者の方に向けて
修行の時ですね。語彙や構文など知識量を増やして使えるようにしていく必要がある時期ですから自分に対してドSになる必要がある期間です。
このシンドイ時期を長期目標達成を支えに頑張り抜く。1ヶ月に洋書を2冊読むなど少しキツめの目標を。でもご褒美は忘れずに。ここを越えれば上級のめくるめく世界があなたを待っています。

今も英会話力(指導力)を磨くために行っている事はありますか?

洋書を読むことはずっと続けています。邦訳版があったりしますが、単純に原文での表現に興味があるんですね。
頭の中に会話相手を作って擬似会話をするのも面白いです。ただこれは想定外の展開にはならないので突発的な事に対応する力はあまり尽きませんが。

教える前には必ず頭の中でシュミレーションをするようにしています。レッスンの流れを頭に叩きこむとどういうところで生徒さんがどのような反応をするかがわかるようになってきます。これは私が指導を初めてからずっと続けている事で、精神安定剤のような役割があるんです。

何度も観た・唄った・読んだ、お気に入りの映画・ドラマ・楽曲・書籍はありますか?

Mariah Carey(マライヤ キャリー)の”All I want for Christmas is you”「恋人たちのクリスマス」これは是非チャレンジしてほしいですね。サビ部分が速くて音声変化の連続なのでなかなか同じように歌えませんでした。
何百回と練習していざカラオケへ!快感ですよ、一緒に歌えると。

ドラマも好きでほぼ毎晩見ています。CSIなどの犯罪ものから恋愛ドラマまでなんでも見ます。動画配信サイトで見放題の契約をしているので心おきなく見られるのがいいですね。興味のあるものを片っ端から。オススメです。

先生のオンライン英会話レッスンの特徴を一言で言うと・・

「頑張りすぎないレッスン」
英会話入門〜初級の方はいろいろな表現を覚えたい、ネイティブの話を聞けるようになりたいなど良い意味でとても欲張りです。だからすごく肩に力が入っている→でも今の実力がなかなかついていかない→焦る→余計肩に力が入る→無理やり詰め込もうとする→頭から蒸気が吹き出す→嫌になってやめる というような悪循環に陥りがちです。

私のレッスンは無理に新しい単語や表現を覚えようとするのではなく、今の自分の知っている単語と文法を組み合わせて文章を作る(自分の言いたいことをシンプルに伝える)練習から始めます。
これをゆっくりと時間をかけてやっていくと直訳癖が治ってきますし、発想力がついてきます。
例えば「政治改革」と言いたい、でも単語を知らない、だから言えないとしてしまうのではなく、発想を変えていきます。例えば幼稚園児に「政治改革」と言っても伝わる訳がないので考えるわけです。この4歳児にどうやって政治改革を説明しようかと。そうすると日本にはたくさんルールがあるんだ。でもあんまり良くないから別のに変えようとしてるんだ。のような発想になってくる。これを英語で表現する練習をしていくといった感じです。
最初はこの「発想」自体が難しいのですが、そこは私がサポートしていくので全く心配はいりません。