「簡単なことも直ぐに言葉にできません」「頭の中で文法はわかるのに、口から英語が出てこない」――これは、シャイで内向的な性格の方だけでなく、多くの方が経験する、英会話学習における共通の壁です。私自身、かつては国語の時間が大嫌いで、言いたいことが伝えられないために理系に進んだほどでした。
しかし、ご安心ください。言葉が出てこない原因は、知識不足ではなく、瞬発力の訓練不足です。この壁を乗り越えるために、心理的なアプローチと具体的な練習法をご紹介します。
秘訣1:英会話で「別の人格」を演じてみる
シャイな性格をすぐに変えるのは難しいですが、英語を話すときだけ、「演じてみる」という意識を持つことは、最初の大きな一歩になります。

「横揺れの文化」にテンションを合わせる
日本語会話では「よろしくお願いします」「お手数おかけしました」とお辞儀をする文化ですが、英語圏では顔の表情や肩、手、体全体を使ったジェスチャーで表現します。これは、文化や習慣の違いが大きく影響しています。
英語を話すときは、意識的に相手の動きや感情を感じながら、会話のテンションに合わせて表現豊かに(別の人格を演出してみる)ように意識してみましょう。最初は意識的に行うことで、話し出しやすくなります。
大袈裟なくらい表現する心構え
「びっくりした」「たのしい」「困った」「違う」といった感情は、言葉が通じなくても、気持ちが通じるくらい大きく表現してみましょう。心や気持ちは万国共通で通じます。日本人同士の会話の調子だと、「気持ちが伝わらない(そう思ってないのでは?)」ということにもなりかねません。
秘訣2:「ジャーナリング(英語日記)」で瞬発力を鍛える
「簡単なことをサッと言えるようになる」ための練習や訓練として、英語での日記(ジャーナリング)は絶大な効果を発揮します。書くことが、話すことの素地を作ります。
習慣化のコツ:3行からで十分です
毎日同じことをしなくても、「Last Saturday I went to a restaurant.」(先週土曜にレストランに行った)のように、3行だけでも良いので書き留めてみてください。書き止めることで、単語の意味や熟語を探してみたり、自分だけでも英語に触れる習慣をつけることができます。
ジャーナリングとオンラインレッスンの連携
日記でライティングを重ねて、それをオンラインレッスンを通じて先生に言ってみる。この習慣は、インプットとアウトプットを同時に行う理想的な練習・訓練になります。日常の習慣・生活パターンを利用して、何度も書いたり考えたり読んでみたりを繰り返しながら、英語で表現できることを広げていくのです。
言葉に詰まる初級者あるある
「いつも話す内容は『趣味』や『週末の出来事』に偏っているのに、いざその話題で話そうとしても、必要な単語や語順(配置)がパッと出てこない。」
これは、使うことが目的の単語ではなく、TOEICなど興味のない単語を覚えているためです。ジャーナリングで自分の興味のあることを能動的・主体的に発信していく準備をしましょう。
秘訣3:楽しむこと、そして「理詰め」のアプローチ
言葉がすぐに口から出てこなくても、詩だったり、本だったり、日記だったり、好きなこと、楽しいことでアプローチすると、会話や言葉が少しずつ出来てくるものだと思います。
理系的な視点:「英語はSV+足し算」
英語は、基本的に**SV(主語・動詞)+足し算**の言葉です。「英語は単純だ!」と理詰めで割り切ってしまう考え方は、特に理系やエンジニアの方には非常に有効です。「あの時、簡単なことも直ぐに言葉にできません」という生徒さんでも、この考え方を取り入れることで、TOEICの点数が上がったり、苦手意識を克服したりするきっかけになりました。
心のバリアを外す「伝わるコミュニケーション」
心配しなくても大丈夫です。すぐ言葉が出てこなくても、ジェスチャーや表情、日本語でだっていいんです。楽しんでコミュニケーションしている限り、心や気持ちは万国共通で通じます。
当倶楽部の日本人講師は、あなたのように「理系的な考え方で英語が苦手」という生徒様の指導経験も豊富です。ぜひ、プロに相談して、あなたの特性に合わせた学習法を見つけてください。
言葉の瞬発力と学習の疑問(FAQ)
- Q1. 知っているはずの簡単な単語が、会話でパッと出てこないのはなぜですか?
- それは知識の「ストック」はあっても、それを「取り出す瞬発力」が不足しているためです。この瞬発力を鍛えるには、ジャーナリング(英語日記)で「自分の言いたいこと」を事前に整理し、それをオンラインレッスンで何度も声に出して使う訓練を重ねることが不可欠です。
- Q2. 緊張して言葉が出ないシャイな性格の場合、どうすれば良いですか?
- 英語を話すときだけ、「別の人格を演じてみる」という意識を持つことをお勧めします。文化や習慣、表現方法が違うのですから、意識的に英語圏のテンションに合わせて、表情やジェスチャーを大袈裟に使ってみましょう。経験を積むうちに、自然に快適なコミュニケーションが身につきます。
- Q3. 理系的な思考で、英語の学習に苦手意識があります。
- 英語は「理詰めで単純」だと割り切ってしまいましょう。基本的な文法はSV(主語・動詞)+足し算で構成されています。この理系的な考え方をベースに、正確な語順(配置)を英作文やジャーナリングで訓練することで、構造を理解しつつ瞬発力も高めることができます。





