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学んでるはずなのに、自分の言葉としてスムーズに話せません<中級者> (回答者:Saori先生)


イギリス・ケンブリッジ在住のSaori先生は、英語講師歴20年のキャリアをお持ちです。日本人にとって聞き取りやすい、発音しやすい「イギリス英語」が学べるレッスンや「英検」対策講座が魅力です。Saori先生に「学んでるはずなのに、自分の言葉としてスムーズに話せません」についてインタビューさせていただきました。

Q: さっそくですが、Saori先生は「学んでいるはずなのに、自分の言葉としてスムーズに話せません」とお悩みの生徒さんにどのようにアドバイスされますか?

A: はい。ある程度の語彙力のある中級者の英語学習者さまであっても、簡単なことが言葉に出ないことが多いかと思います。そういう場合、以下の3点に着目することでレベルアップを実現することが可能かと思います。

① 会話中で必須の語彙の固まりを瞬時に思いつく&口に出せるようにすること

② 「知識」として学習済みの基礎英文法を、実践的に使いこなせるようにすること

③ 目標達成のためのトレーニングに使用する教材は、①と②の要素を満たした「短い文」であること

 

Q: ③の条件を満たす教材で特におすすめは、どういったものでしょうか。

A: びっくりされるかもしれませんが、お薦めは、英検5-3級の「大問1」です

Q: 数多くある教材の中で、なぜ英検5-3級なのか、疑問に思われる方も多いのでは?

A: レッスンを初めて受講される学習者様には、自己紹介をいただく際、簡単なQ&Aも実践いただいております。生徒様が言えなかった重要な表現や言い回しを含んだ文は、スカイプのチャットボックスに掲示いたします。スピーキング力でお悩みの学習者様の多くは、ここで「自分が今言いたかったことは、こんな単純な英単語の固まりで言い表せるんだ」と驚かれます。

実は、この「単純な英単語の固まり」の大半は、義務教育で学習済みの英語力で構成されるもの。つまり、スピーキング能力を向上させるということは、英検5-3級で出題される単語・英文法を実際に使いこなせるようになるということです。 英検の5-3級というのは、長い間英語を学習してこられた生徒様であれば、朝飯前のレベルです。

しかし、義務教育で学習する語彙の固まり(例: early in the evening: 夕方早めに )などを全てよどみなく読めるのに、いざ日本語に訳してから、脳内で再度英語に変換とすると、なかなか出てこない。これは、英語で会話中の「あれ?!こういう表現、英語で何ていうのだっけ!?」という焦りの状況と似ています。

この「どういったらいいか分からない」と言う”つまずき”こそ、スピーキング力を延ばす絶好のチャンス。英検大問1の英文は一つ一つが短いため、英語への変換が出来ずにつまずいても「あ、こういえばいいんだ!」という気づきを明確に得られます。また、英検には、英会話で必須の基礎英単語と、その単語の組み合わせで構成される英語表現の固まりがふんだんに盛り込まれていることから、英検大問1を使った「瞬間英作文トレーニング」を継続的に取り組むことは、知識としてのみ脳に取り込まれていた英単語を、「使える武器」として脳に入れ直すのに有効な作戦ではないかと思うのです。

Q: なぜ、短い文章が有効なのでしょう?

A: 理由は3つ。
1つは、達成事項が明確になるため。2つ目は、独特な英語の言い回し(基礎的な単語の固まり)を用いて、短い文章を瞬時に英語に変換するトレーニングをすることで、会話中の適切なタイミングで発話できる瞬発力を養うことができるから。3つ目は、上記の1と2の向上こそが、長い文章での発話の基礎となるからです。

Q: なるほど。知識として頭の中に既にあるものを、使えるようにするための訓練が必要で、英検5-3級は、その訓練に必要な条件を全部備えているということでしょうか。

A: そうなんです。しかも、出題範囲というのは各級ごとに限られているので、トレーニングを進めていくと、同じ言い回しや文法になんども遭遇します。つまり、記憶の定着に必須である「反復練習」を意識せずに実践していることになります。しかも、余計なコストは一切なしです。空き時間に、誰にも知られず、地味にコツコツ、少しずつ。

Q: 「瞬間英作文トレーニング」というのは、実際にどのようにやるのでしょうか。

A: まず英文を声に出して読んだ後、一度日本語に訳します。それを英語にスラスラ訳せるかどうか試す、という単純な作業です。日本語から英語に直すことの難しさを感じた場合、すらすらと言えるようになるまで、声に出して繰り返します。

Q: なぜ、声に出さなくてはいけないのでしょうか。

A: 「声に出す」という作業には、一見面倒ですが良い効果が沢山。

①英語を話す際に動かす筋肉を動かし、鍛えることになるため、発音の改善を図ることが可能
②脳が一番聞き慣れている自分の声を使って脳に英文を何度も聞かせることで、記憶の定着を促進。
③基本の英単語で構成される日常会話の必須表現を「固まり」として脳に再認識させることで、会話中の「あれ、あの言い回しはどう言うんだっけ?」を軽減。(→英検やTOEICなどの高速リスニング能力が試される場での「あれ、この熟語の意味なんだっけ?」というつまずきや、その後のリスニング内容が全く聞き取れないという事態も改善可能)そういった理由から、敢えて声に出す作業を続けることには、とても意味があると思います。

Q: 聞き慣れた自分の声で脳にインプットしていくのですか?発音に自信のない生徒さまの場合はどうしますか?

A: そこは、レッスンを利用して私を含めた講師の方々のアドバイスを参考にする、インターネット上で利用可能な音声を真似してみるなど、対策の方法は様々あります。

英国に住んでいて実感するのは、英語というのは、話し手の出身地域や国によってもアクセントが微妙に異なるということ。日本語に方言があるように、英語にもアメリカ英語、イギリス英語、インド英語など様々な英語があるます。様々な音声を参考にして培う柔軟なリスニング力は、会話中の「あれ?何言っているか分からない!」を軽減してくれますし、その状況や背景からの瞬発的な推測力も伴うものなので、試験にも、実践にも強い。

そういう理由で、CDやウェブ上の音声ツールなどで多様な英語を参考にし、柔軟なリスニング力を養い、「大体」正しい発音を自分の中でインプットしていくというのは、とても大事なことです。CDやウェブ上での音声を聞いて聞き取れない英語も、もちろんあると思います。でもそれは、単に未学習の表現だったり、ただ単に「知識」として脳にしまってあって、使える状態に至っていない英語表現だったりするだけで、解決が十分に可能です。

―なるほど、TOEIC試験で様々な英語が採用されているように、どんな英語でも対応できるような推測力が必要であるということですね。

Q: では、 5-3級の大問1のうち、どの級が適切であるかというのは、どのようにして決めたらよいのでしょうか。

A: 初めてご受講いただく初級~中級レベルの方のレッスンでは、生徒さまご自身のお悩み・長期的目標の把握させていただきます。それらを踏まえた上で、サンプルクイズとしてどのくらいスムーズに日→英に変換できるかのチェックさせていただき、生徒さまご自身の「あ!この表現何て言うんだっけ?」という気付きを元に、「瞬間英作文トレーニング」を活用した上での目標達成への「作戦」を提案させていただいております。

Q: まずは、既に知識を得ている「語彙力や文法、熟語」などが、どのようにインプットされているのかを知ることが大切なのですね。

A: そうですね。瞬間英作文トレーニングのサンプルクイズをさせていただくと、多くの生徒さまは「あれ?こんなに簡単なのにできない」と大変驚かれます。
この認識をもとに「英語を理解する力」とは別の「話せる力」を向上させるプランを練ることができますし、瞬間英作文トレーニングの実践&成果チェックで、既得の語彙力や文法がどの位使えるようになっているか、目に見える形で実感することができるようになります。地味で、時間はかかるかもしれません。でも、確実です。そして、コストは限りなくゼロ。

Q: 会話力は、決して高価な教材で身に付いていくものではないということですね。「英語検定」活用の瞬間英作文トレーニング以外にも、ぜひ取り組んでほしい効果的な方法はありますか?

A: 必ず実践いただきたいのが、例えば、他の先生方とのレッスンに取り組まれている学習者さまであれば、ニュース記事を題材にお話をすることで、短めの文章でキャッチボールできる良い練習になると思います。
「短い文章を英語にすぐに直す」という力を身に付けていけば、会話力は少しずつですが確実に向上していきますから、瞬間英作文トレーニングの効果をそこで実感していただけるのではないかと思います。

■事務局よりコメント

優しげで品のあるSaori先生の言葉に、私も安心感を覚えました。長い道のりを要する英語習得には、なるべくコストがかからない方法で、そして効果の高い手段で取り組んでいただきたいという事が、Saori先生からのメッセージ。多くの生徒さまが抱える悩みにも、丁寧かつ細やかな対応で解決へと導いてくださいます。

オンライン英会話[大人の英会話倶楽部]の日本人講師:
小さな積み重ねを「未来へのギフト」へと変えてくれる Saori先生のプロフィールはこちら↓
https://www.english-dialogclub.com/wte/prfdtlfrm/1732