初級英文法

英会話初級者から中級者への道のり(違いって何?)


よりsmoothに英会話ができるようになりたい。まだまだ英会話初級。中級レベルにはなりたい。と思われている英語学習者が大半です。
英会話初級と中級の違いは何でしょうか?中級になるための効果的な学習方法は?

ネイティブとノンネイティブでは、一般的な言語力レベルの捉え方自体も大きく異なります。

私たち、日本語ネイティブでは
子供のころから、平易な日本語を聞き話すこと、相手の意図を理解し自分の意思を伝えることはできていました。
小中学生・高校生・大学生・社会人と進むにつれて、表現力が豊かになり、語彙も増えてきます。
つまり、幼い頃が日本語初級だとしても、(初級であったも)概ね流ちょうに聞き話すことはできています。
表現力の豊かさなどが、異なるだけです。

一方、ノンネイティブ(外国語として学習している立場)では、随分、概念は異なります。
外国語学習者のコミュニケーション習熟度レベルを示す国際標準規格として欧米で幅広く導入されているCEFRでは、以下のような基準が示されています。
[いわゆる、上級] C2:あらゆる話題を容易に理解し、論理的に細かいニュアンスまで表現できる
C1:複雑な話題を理解して、明瞭で論理的な主張や議論ができる
[いわゆる、中級] B2:社会生活上の幅広い話題について母国語者と自然に会話ができる
B1:身近な話題について理解し、自分の意思とその理由を簡単に説明できる
[いわゆる、初級] A2:日常生活での基本表現を理解して、簡単なやりとりができる
A1:日常生活での基本表現を理解して、ごく簡単なやりとりができる
A0:簡単な日常表現を聞きとれて、基本的な語句で自分の気持ちを伝えられる

NHKの英語講座で人気の[ラジオ英会話]でB1レベル。
身近な話題について、簡単に説明できるレベルで、それはネイティブなら園児並みかもしれません。

読んだり書いたり話したりするために必要な基礎的な文法や語彙は、学生時代に(凡そB1レベルまで)学んできました。
TOEIC800点、英検準一級となれば、日本では中上級レベルとされますが、
ネイティブの子供たちのように、映画を字幕なしで楽しんだり、流ちょうに話し込めるレベルの方は多くはありません。

つまり、日本では、知識として(読み書きレベルは)中・上級でも、会話力は初級の方が非常に多い側面があります。
(難しい文法や語彙は知っている方でも、なぜか会話になるとワンテンポ反応が遅い、それはとても不思議なことで、フィリピンの新人講師に一番最初に教えることでもあります)。

身近な日常的なことをスムーズに話せることを目標にしましょう。

そのために、少し学習方法を見直したほうがよいかもしれません。

  • 初級のテキストは概ね理解できたので、中級の教材で学びたい
  • 語彙力を増やすために、英単語を沢山覚えないといけない。など、思われていませんか?
  • 歴史や理科の勉強のように、知識量を増やすことを重視していませんか? 

私たちが朝起きて、日々の生活をおくる際に、中級・上級の会話をしているでしょうか(必要な場面は多いですか?)
日常会話の限りなく100%は、何気ない会話です。決して、複雑な文型や語彙を使っているわけではありません。

ネイティブとして母語を習得するプロセスでは、
お父さん・お母さんなどから、シャワーのように言葉を浴び、数千・数万回の言い間違いを繰り返しながら、5歳児前後までに15,000時間は、その言葉に触れているそうです。

ちょっと極端に言えば、分かっている(理解した)ことと、聞いて話せることとは何の関係もありません。
もちろん、理解していることが多ければ多いほど、より(聞く・読む)理解度は深まりますが、
発話に於いては、
自然に出てくる会話パターンをどれだけ持っているか?がPointです。

多くの英会話の先生が、チャンク(短い塊)で覚える、音読することの大切さを言われていますが、
正に、感情・意図と発話を同時に出せるようになる基本的な表現を使いこなす基礎練習としては正解です。
[目標:今日のフレーズ・1日1チャンク50回音読]などは、いつでも、何度でも使える状況でなければ、単なる知識(暗記)でしかなく、思わず口から出てくるようになるという事はあまり期待できません。
新しいことを覚える努力目標よりも、
覚えたであろうことを何十回も使うことに注力したほうが 会話の上達は早くなります。

大人の英会話倶楽部では、
英会話初級段階では日替わり講師はとても非効率、同じ先生との積み重ねレッスンをお勧めしています。
私自身も、10年間、(入れ替わりはありますが)2~3名のコーチで学び続けています。
毎回コーチが変わり挨拶と間違いの指摘の繰り返しはお薦めできません。

お医者さんに行って、「インフルエンザの診療を希望します」という事はないのと同様に
自分なりの状況や目標は伝えますが、自分では見えないことを見極めてくれるのがお医者さんであったり、英会話講師。
プロにお任せするのが一番、
であれば、プロの指南を最大限に受けられる継続レッスンのほうが効果的だと感じています。

とは言え、それでも、挨拶レベルの会話は数千回は行っているでしょう。
最初1分だったのが、少しずつ話を膨らませられるようになる(話したい事のために少し語彙を調べてみたりする)
不確実なことを回を重ねながら確実に変え、自然に出てくる会話パターンを少しづつ増やしていきます。

世界には、読めない書けないけど、日常生活に困らないレベルで話せる人もたくさんいます。
私たちは、少し読んだり書いたりしたことはあるけど、全く話したことがないことろからのスタート。
まだ、幼稚園児(小学生)レベルまでも行ってないんだから、上手く話せない、間違って当然。
日常の家族や友人との会話のように、
他愛のないことを繰り返し話し、繰り返し間違えることで定着させる時間こそが、言語習得に最も効果的な学習方法だと考えてみると、随分、日ごろの学習方法の見え方が変わってくると思います。

複数回、同じ話題を話してみるのもお勧めです。

例えば、自己紹介でも、かならず、ちょっと違う質問や助言が返ってきますので、
回を重ねるごとに、自分で話せる表現が広がっていきます。
毎回違う話題・表現・間違い指摘の繰り返しは疲れます。あらたに学んだ会話パターン・チャンクを月3回・4回使える[レッスン」の組み立て方が理想的です。

大人の英会話倶楽部もご紹介いただいた
カリスマ英語講師、安河内哲也先生の著書「英語が話せるようになりたければ、今すぐオンライン英会話をやりなさい!」での英会話学習の心構えは
・「本当に英語が話せるようになりたいなら、オンライン英会話一択でいくべき!」
・「中学校レベルの単語やフレーズでも、オンラインで初対面の外国人とも十分コミュニケーションは可能」
・英語習得に「近道」や「魔法」はないが、習慣化して続けることで、会話力は身に付けることができる。

これが秘訣です。
お料理も英会話も、どんなに著名なスクールでも、素晴らしい先生でも教材でも
週1~2回の練習で、数か月・数年で、スムーズなレベルに上達することはありません。
包丁を握らなければ、会話をしなければ・・まず、長ーいプロセスだということを受け止めて、どうせやるなら、そのプロセスを愉しむ工夫が一番です。

英会話初級者にとって必要な語彙や文法力は?

必要な語彙力と文法力は基本的な2000~4000単語で十分でしょう。とても多いようにも感じますが、
カタカナ英語や派生語もありますので、中学1~2年生レベルです。

簡単な文法書を選んで2回くらい読んでおきましょう。
覚える・忘れるの繰り返しなので、できれば、短期間(1kか月ほどで)2回くらい読んでおくことがお薦め。特に、英語の文型(文の組み立て方)はしっかり。英語の配置の基本さえわかれば、単語を入れ替えるだけです。

文法も、関係代名詞や間接疑問・分詞な・仮定法ど中3レベルの文法を使えこなせなくても、十分に平易な表現で伝えることはできます。表現力は格段に増しますので、ゆっくり積み重ねていきます。

文法を学習してから英会話レッスンもNG。

今日、読んで、今日話せば、「学んだ文法・文型だ」の新たな気づきがあり、読み聞き、理解するよい循環が生まれます。

英語を学び始めるその日から
文法も段階的に学び、会話に活かせる「Active Leaning B」や[おとなの入門英語」などで、
英会話してみることと、並行して、文法の復習を行いましょう。

聞き取れなくて当たり前

日本語会話でも、すべてが聞き取れているわけではありません。
日本語も英語も会話(文型)には規則性があり、会話にはパターンがあります。
私たちは、(何十万回の会話経験に基づき)二手三手先の言葉・要素を類推しながら(聞き終わる前に次に言う事の選択肢を用意しながら)聞いています。
[単語][発音][文型]の全てが初級の時は、殆ど、類推が働かず、とても文章全体を把握することも困難です。
でも、身近な話題で、よく聞く単語で、よく聞く文型の繰り返して、把握力は確実に上がってきます。
私は、かならず同じ話題で3人の先生と話す方法を取っていました。
その都度、修正されての3回。毎回新しいことで汗かくよりも、自分の言葉として話せる機会を増やしたほうが身につきます。

ちなみに、
TOEICで600点を獲得するには5,000語、700点で8,000語前後、850点以上で10,000語、
CEFRでは
・中級(B2):6000~8000語
・上級(C1以上)8000語〜などと言われています。
一般的なアメリカ人やイギリス人の語彙数というのは大体以下のようです。
10歳: 1万語以上
高校卒業: 3万語
読書好き:5万語
一流大学卒業: 10万語

語彙を増やしていく方法は、単語帳・映画・洋楽・ニュース・SNSなど様々ですが、語彙だけを増やし、使用頻度が低い語彙を会話で突然使うことは至難の業。
語彙力を増やすことは意識するのは、躊躇なくナチュラルスピードでスムーズに話せる小学生レベルになってからでもよさそうです。
長い英語学習のプロセスで、少しづつ、英語に触れる機会の中で増やしていきましょう。

NHKの初級レベルの英語講座もお勧めです。

1度聞いて聞き取れなければ2回。解説を聞いて1回、テキストを見て1回、可能な範囲で聞いてみましょう。
スマホなどで何時でも何度でも聞けますから、通勤・お買い物・散歩時など日常生活に組み入れてみましょう。

その場で覚えようと意識しすぎる必要もありません。
継続していれば何度も出くわしますし、10回・20回の積み重ねで、慣れ親しんだ表現として認識でき、話し言葉として使えるようになります。

英会話初級者から中級者への道のり

  • 日常会話に中級も上級もありません。
  • 高いレベルの英文法や多くの語彙を覚えないといけないと思う必要はありません。
  • 身近な話題を、よりナチュラルにスムーズに話し聞くことができることに注力することが大事
  • 中学1~2年生レベルの英文法は復習しておきましょう。
  • 知っている文法・語彙と使える文法・語彙は違います。学んだら聞く話すの繰り返し。
  • 同じ話題で話すことお薦め、繰り返し回数が定着の秘訣。
  • 練習して覚えて、また、出会い、より記憶を確かなものにする繰り返し。